経鼻・経口内視鏡
胃内視鏡検査が必要な方
- 以下のような症状のある方
食欲不振、心窩部痛、背部痛、胃もたれ感、腹部膨満感、ゲップ、胸焼け、吐き気、嘔吐、体重減少、貧血、黒色便など - 胃透視(バリウム検査)で異常を指摘された方
- 便潜血検査陽性の方
- ピロリ菌陽性の方
- 健診の血液検査にてペプシノーゲンの異常を指摘された方
- 以前から慢性胃炎のある方
- 以前にがんになったことのある方(胃がん以外のがんも含む)
- 以前に食道・胃・十二指腸にポリープ・潰瘍があった方
- がん家系の方
- 40歳以上で飲酒・喫煙の多い方
胃内視鏡検査が必要な方
- 1.吐き気が少ない検査です。
- 鼻から挿入する場合は、口から入れる場合とスコープの通る経路が異なり、舌の根元に触れないため、ほとんど「オェー」という咽頭反射を起こすことなく検査を受けることができます。
- 2. 検査中に会話ができます。
- 鼻から挿入する場合は、口を自由に動かせますので、画像モニターを見て説明を受け、会話しながら検査をすすめていくことができます。
- 3. 体にやさしい検査です。
- 鼻からの内視鏡は、プリビナという薬剤を鼻腔へ噴霧して鼻粘膜を収縮させ出血を予防し、さらにキシロカインビスカスというゼリー状の液体を流し込んで局部麻酔を行いますが、麻酔に用いる薬が少量であるため、鎮静剤を用いた検査に比べ薬による副作用も少なく安全な検査です。
一方、デメリットとしては、
1. 鼻出血しやすい方、副鼻腔炎などで鼻腔の狭い方は、経鼻挿入は困難(経口挿入の方が良いでしょう)
2. 鎮静剤を使用する内視鏡検査に比べ、ややえづきが多く、検査後に鼻腔に違和感が残ることもあります。
ちなみに、島根県・出雲中央クリニックで4,724人を対象として行ったアンケート調査によると、鼻からの内視鏡検査を受けた人たちの約95%が「次回も鼻から」の検査を希望しています。
経鼻内視鏡検査の流れ
1.診察・検査予約
医師の診察の際に、内視鏡検査が必要と思われる場合や検査希望の場合、予約をお取りいたします。もちろん電話での検査予約も承っておりますが、その際には当日の検査前に診察いたします。また、内視鏡検査を行うに当たり、感染予防の観点から、感染症(B・C型肝炎、梅毒)の有無の確認のために血液検査をいたします。
2.問診
検査当日は、局所麻酔薬や胃の動きを抑える薬などいろいろ薬を使用することがあります。検査を安全にすすめるため、検査前には以下のような項目について問診させていただきます。各項目に心あたりがありましたら、積極的にお申し出下さい。
- 以前に胃の内視鏡検査をうけたことはありますか?
- 検査前の注射をした時に気分が悪くなったことがありますか?
- 心臓の病気がありますか?(不整脈、狭心症、心筋梗塞、ペースメーカー埋め込みなど)
- 心臓のお薬を飲んでいますか?
- 高血圧がありますか?
- 緑内障といわれたことがありますか?
- 前立腺肥大症はありますか?
- 糖尿病ですか?
- 血が固まりにくくなる薬を飲んでいますか?(ワーファリン、バイアスピリン、パナルジンなど)また、
- 飲んでいるなら中止されましたか?
- 歯の治療などの際に麻酔の注射(キシロカイン)で具合が悪くなったことがありますか?
- (女性の方)妊娠している可能性はありますか?
- 耳鼻咽喉科の先生から、鼻が悪いと言われたことがありますか?
- 鼻血がよく出ますか?
- 肝臓が悪いと言われたことはありますか?
内視鏡検査をご希望の方は、下の問診票にご記入していただきご持参下さい。
3.検査前日
検査をより正確に行うために胃を空にしておく必要があります。夕食は普段より少なめとし、必ず午後9時までにお済ませ下さい。(消化の悪いものやワカメなど海藻類は避けて下さい。)それ以降は水、お茶、スポーツドリンクを飲んでもかまいませんが、固形物は摂らないで下さい。
4.検査当日
検査当日は、絶食・禁煙ですが、のどの渇きが強い場合は、コップ1杯程度の水なら飲んでいただいても結構です。普段、朝に服用している高血圧、不整脈、心臓、喘息の薬はいつも通り服用して下さい。
5.来院・受付
検査予約時間の10分前までに来院し、あらかじめサインしていただいた同意書を当日必ずお持ち下さい。また、検査直後は自動車の運転ができませんの自動車でのご来院は控えて下さい。
6.前処置(消泡剤を飲みます)
胃の中の泡を取りのぞき、胃の壁をきれいにするために、消泡剤(やや苦目の白い液体です)を飲みます。
※これは口からの胃内視鏡検査の場合も同じです。
7.前処置(鼻腔に局所血管収縮剤をスプレーします)
鼻腔粘膜の血管を収縮させます。出血しにくくするだけでなく、鼻のとおりもよくするために行います。スプレーは風がシュッと入るような感じで、ほとんど痛みはありません。
8.前処置(鼻腔に麻酔薬を注入、局所麻酔を行います)
小さな注射器型の注入器で鼻腔に麻酔薬を注入します。局所麻酔ですから眠くなりません。
9.前処置(麻酔薬を塗ったチューブを挿入します)
細くて軟らかいチューブにゼリー状の麻酔薬を塗り、鼻腔に挿入します。鼻腔の痛みが抑えられ、内視鏡の通過がスムーズになります。内視鏡と同じ太さのチューブを使うことが多く、この段階で、実際の内視鏡の挿入感をイメージしていただけます。
10.挿入(鼻からゆっくり内視鏡を挿入します)
内視鏡を挿入する前に胃の動きを抑える注射を行います。前処置を行った側へ内視鏡を挿入します。この時、違和感はあるものの、ほとんど痛みを感じることはありません。
※病状や内視鏡所見に応じて、組織採取・ピロリ菌検査を行います。
11.観察(胃の中を観察します)
食道、胃、十二指腸の順に観察していきます。モニターを見て、自分の目でもその様子を確かめることができます。先生に質問もできます。
12.検査が終わったら
内視鏡検査の画像を見ながら医師が結果を説明いたします。約30分~60分で水も飲めますし、食事もできます。原則として眠くなる麻酔を注射しないので、すぐに帰宅できます。
※検査後30分は鼻をかむと出血することがありますので、拭くだけにして下さい。
検査前日から検査終了までの流れを、PDFファイルでご用意いたしております。